畑の強い味方!クローバーで手軽に雑草対策

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雑草対策、それは家庭菜園でも農家でも土に関わる人が一度は悩む永遠のテーマ。

世界には様々な対策方法があり、その土地の用途によってそれぞれ選択していきますが
その中で今回は、クローバーを活用した雑草対策について詳しく解説します。

クローバーは畑で雑草を抑え、土壌改良や害虫防除にも役立つ優れた植物なのです。
クローバーの特徴から実際の活用方法、栽培管理まで、クローバー畑作りのポイントを一緒に学んでいきましょう。

クローバーってどんな植物?

クローバーといえば、三つ葉の形が特徴的なあの植物。幸運の象徴としても知られていますが、実は農業においても優れた働きをしてくれるんです。

クローバーの特徴

クローバーは、葉が三つに分かれた形状が特徴的です。この三つ葉の形は、幸運を象徴するとされているため、クローバーの葉を見つけると幸運が訪れると言われています。また、クローバーの花は小さな白やピンク色をしており、可愛らしい姿が魅力です。

クローバーの種類

クローバーにはいくつかの種類があります。​

種類特徴主な用途・適性
シロツメクサ(ホワイトクローバー)地面を這うように低く広がる多年草。寒さに強く、踏圧にも耐える。雑草抑制、土壌カバー、家畜の飼料、緑肥
アカツメクサ(レッドクローバー)草丈が高く、茎は直立。花は赤紫色で見た目にも鮮やか。緑肥、コンパニオンプランツ、養蜂(蜜源)
アレキサンドリアクローバー(アレキサンドリナクローバー)一年草で、暖かい地域向け。成長が早く、肥沃な土壌を好む。緑肥、飼料、冬季のカバークロップ
ラジノクローバー中間的な草丈で、湿地にも強い。耐寒性あり。牧草、カバークロップ、やや湿潤な圃場向け
クリムソンクローバー(ストロベリークローバー)鮮やかな深紅の花を咲かせる。景観美化にも向く。緑肥、蜜源植物、早期のカバークロップとして
バロクローバー(バロークローバー)地面に種子を落とす特殊な性質。乾燥地や砂質土壌でも活躍。放牧地、乾燥地用のグランドカバー

使い分けのヒント

  • 雑草抑制が目的:シロツメクサ一択。低く密に茂り、雑草の侵入をしっかり防ぎます。
  • 窒素固定+景観も重視:アカツメクサやクリムソンクローバーがおすすめ。
  • 冬のカバークロップ:アレキサンドリアクローバーが育ちやすく、すき込みも簡単。
  • 湿気の多い圃場:ラジノクローバーが腐敗しにくく適応性があります。
  • 乾燥しがちな圃場:バロクローバーのような乾燥地向け種が効果的です。

クローバーは多くの種類が存在しており、それぞれ特徴や生育環境が異なります。
これらの種類には、地域によって適したものが異なるため、栽培する場所に合わせて適切な種類を選ぶ必要があります。

クローバーが畑にもたらすメリット

クローバーを畑に取り入れることで、以下のような嬉しい効果が期待できます。​

天然の肥料として活躍

クローバーは根に共生する根粒菌の働きで、空気中の窒素を固定し、土壌に供給します。
耕うんして畑にすき込めば化学肥料の使用量を減らすことができるんです。 ​

雑草を抑えるグランドカバー

地面を覆うように成長するため、他の雑草が生えるスペースを物理的に減らし、雑草の発芽や成長を抑制します。 ​

土壌の健康をサポート

クローバーの根は土壌をほぐし、通気性や水はけを改善します。また、土壌侵食を防ぐ効果もあります。 ​

乾燥に強く、緑をキープ

乾燥した環境でも緑を保つ力があり、芝生や畑の景観を美しく維持します。 ​

クローバーを使った雑草対策

そしていよいよ本題のクローバーを使った雑草対策の解説です。

雑草は主要な農作物と競争し、栄養を奪い、さらには病気や害虫の温床となる可能性があります。そのため、雑草が畑に侵入する前に、適切な対策が必要です。

ここから畑でのクローバー活用方法を目的・タイミング別にわかりやすくまとめます。

【すき間を埋める】「畝間」や「通路」にクローバーを播種

目的:雑草を抑えつつ、通路の泥はねや土の流出を防止。

  • おすすめ品種:シロツメクサ(ホワイトクローバー)
  • タイミング:春または秋(気温15〜25℃)
  • 播種方法
    • 畝間の雑草を除去したあと、種をパラ撒き
    • 軽く覆土して、水をしっかりかける
  • 注意点
    • 畝には根を張らせないよう、播種範囲を調整
    • 通路管理が楽になる反面、作業機が入らない狭い畑では注意

【全面カバー】作物の合間に「カバークロップ」として同時栽培

目的:作物の成長を妨げずに、雑草だけを抑える。

  • おすすめ品種:背丈が低く、這うように広がるタイプ(例:ホワイトクローバー)
  • 活用例
    • 低背性の作物(玉ねぎ、葉物野菜など)の間にクローバーを播種
    • もしくは、定植前に一度クローバーを育ててから押さえ込んでから苗を植える
  • ポイント
    • 光を奪わないよう背丈の低い品種を選ぶ
    • 作物の根域を奪わないよう、播種密度を調整

【リビングマルチ】栽培終了後の休耕地にクローバーを育てる

目的:雑草の侵入を防ぎつつ、土壌に窒素と有機物を供給。

  • おすすめ品種:アカツメクサ、アレキサンドリアクローバーなどの緑肥向け
  • 手順
    1. 前作の残渣を処理
    2. 早めにクローバーを播種して生長させる
    3. 翌シーズン前にすき込んで、天然の肥料に

【持続的な雑草対策】多年草として長期カバーする

目的:長期的に雑草を抑える半永久的なグランドカバー

  • おすすめ品種:多年草のホワイトクローバー(根張り・再生力強い)
  • 使い方
    • 半栽培・半野生地、ハウスの通路、果樹園の下草管理などに最適
    • 踏まれても復活し、長期間雑草の繁殖を抑える

活用の注意点

  • 播種前の雑草除去は必須:クローバーより先に雑草が生えると逆効果です。
  • 管理しすぎないこと:多少の放任が、逆に生育にちょうど良いです。
  • 密植しすぎない:作物の育成を妨げないよう、間隔に余裕を持たせましょう。
  • 刈り込み管理を定期的に:伸びすぎると日照を奪う可能性あり。低く保つのがポイント。

クローバー畑の管理

クローバー畑を適切に管理することは、雑草対策の成功に不可欠です

以下では、クローバー畑の管理について詳しく説明します。

土づくりと播種前の準備

項目内容
pH適正値6.0〜7.0(弱酸性〜中性)を好む。酸性が強い場合は石灰で中和。
土壌整備表面を平らにして、種が均一に接地できるように耕起。雑草は除去しておくこと。
肥料設計元肥は少なめでOK(特に窒素は不要)。リン酸とカリはやや効かせ気味にすると初期生育が安定。
播種タイミング3〜5月、または9〜10月が適期(発芽温度15〜25℃)。地域により調整。

補足:砂質土では水分保持に注意、粘土質土では排水対策を。やや肥沃な土壌でよく育ちます。


播種方法と種のまき方

項目内容
播種量200~300g/10a(品種・目的による)。密植しすぎると過湿・徒長の原因に。
播種方法ばらまき(手撒き or 手動播種機)+ 軽く鎮圧。覆土は0.5~1cm程度。
混播の工夫イネ科(ライグラスやエンバク)と混播すると、土壌保護と構造改善が両立。
散水のコツ種が流れないように、やさしく水をかける。播種後数日は乾燥させない。

鳥害が多い場所では不織布を軽くかぶせるのも効果的です。


発芽〜初期生育の管理

項目内容
発芽日数通常5〜10日程度。低温下では遅れるため注意。
初期管理雑草が追い抜かないように、播種前にしっかり草を取る。
追肥基本不要。ただし生育が悪いときはリン酸系の葉面散布など軽く調整可能。

クローバーの刈り取り管理(リビングマルチ・通路用途)

項目内容
刈り高5〜10cm残すように。地際での刈り取りは再生力が落ちます。
頻度月1〜2回が目安。放置しすぎると徒長して覆いすぎる。
刈り草の使い道そのまま畑に敷いて緑マルチに。堆肥にしても◎。

トラクターや押し切り機で簡単に刈れるよう、畑レイアウトを工夫すると楽になります。


更新・すき込み・作物転換時の処理

項目内容
緑肥活用の場合花が咲き始める頃にすき込むと、有機物と窒素の供給が最大に。
多年草の場合数年ごとに更新(再播種)を。根の密度が高くなりすぎたらロータリーで一度リセット。
すき込み後の注意根が多いため、完全分解まで2〜3週間空けてから次作物へ。特に種まきはタイミング要注意。

成功のコツ:クローバーは「主役でなくてもいい脇役」として扱う

  • 他の作物の補佐役として使うことで、雑草抑制・土壌改良・美観維持など多目的に活躍。
  • 「雑草と闘う」よりも、「クローバーに席を取ってもらう」方が自然で持続的。
  • 刈り取りさえしておけば、ほとんど放任でも問題ないため、省力化にもつながります。

まとめ

クローバーはただの雑草ではなく、畑を守る「生きたマルチ」。雑草を抑え、土を豊かにし、管理の手間を軽減してくれる畑の頼れる相棒です。

雑草に悩む時間を、野菜づくりや土の観察に変えていく。
そんな「農のリズム」をつくる相棒として、クローバーは本当におすすめです。

是非、皆さんも畑で活用してみてはいかがでしょうか。

農業
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